コラム

シミをきれいに徹底的に取るために

シミ治療に対するピコレーザーとQスイッチルビーレーザーのどちらが自分にあっているか、どうやって選べばいいか、詳しく解説します。
まずは、それぞれの異なる特徴とメリットについて、その違いを比較します。

基本的な原理と効果

Qスイッチルビーレーザー

  • 波長: 694nm
  • パルス幅: ナノ秒 (10^-9秒)
  • 効果: Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素に選択的に吸収される波長の光を高エネルギーで照射し、メラニンを熱により破壊します。
  • 適応症: 主にシミ、そばかすなどの色素性疾患に効果的です。

ピコレーザー

  • 波長: 532nm、1064nm 
  • パルス幅: ピコ秒 (10^-12秒)
  • 効果: ピコレーザーは非常に短いパルス幅で高出力を発生させ、光音響効果(フォトアコースティック効果)によりメラニンを粉砕します。
  • 適応症: シミ、そばかす、タトゥー除去など、幅広い色素性疾患に対応します。

比較ポイント

  1. 治療効果とスピード:
    • Qスイッチルビーレーザー: 周囲の組織に対して作用せず、シミの原因となるメラニンに対して強力に作用します。また、長い治療の歴史をもっており、効果を予測しやすいです。
    • ピコレーザー: より短いパルス幅により、メラニンを細かく破砕するため、治療効果が高く、治療回数が少なく済むことが多いとされています。
    • 補足事項:ディスカバリーピコは出力が高いため、Qスイッチルビーレーザーとほぼ同等の効果が見られます。出力を上げると副作用が出やすいため、レーザーの選び方と出力コントロールはしみとお肌の状態で判断しています。現在、販売されているピコ秒レーザーよりパルス幅がもう少し短くなると、ピコレーザーの有意性が上がる可能性があります。
  2. ダウンタイムと副作用:
    • Qスイッチルビーレーザー: 施術後の赤みや腫れが数日続くことがあります。色素沈着(PIH)のリスクがあり、適切なアフターケアが重要です。
    • ピコレーザー: ダウンタイムが短いとされています​。
    • 補足事項:ピコレーザーの方がダウンタイムと副作用が少ないとされていますが、シミに対して効果的な出力を用いる場合はルビーレーザーと同等と思われます。技術が進んで、パルス幅がもう一段階短くなると、ダウンタイムと副作用の面でもピコレーザーの有意性が格段に高まるのではないかと期待しています。
  3. 適応症の幅:
    • Qスイッチルビーレーザー: 主にシミやそばかすなどに使用されます。長い歴史があり、多くの色素性疾患に適応を有しています。また、熱変性が加わるため、リジュビネーションにも有利に働く可能性があります。ただし、複数回行っても取れなかった場合は、ピコレーザーを追加で行います。
    • ピコレーザー: タトゥー除去であればピコレーザーが明確に有意です。また、異なる波長を持つため、シミが深い場合やうすいシミに対応可能です​​。

まとめ

Qスイッチルビーレーザーは長い歴史と信頼性があり、特定の色素性疾患に対して効果的です。一方、ピコレーザーは最新の技術を駆使し、治療効果の高さと副作用の少なさから、多くの患者にとって魅力的な選択肢となっています。治療を受ける際は、お肌とシミの状態にあった適切なレーザー治療を提供します。

まめ知識

Qスイッチルビーレーザーは別名、Qスイッチナノ秒ルビーレーザーです。パルス幅がナノ秒のレーザーという意味です。おもにルビーを母材とするため、愛称的にルビーレーザーと言われています。
ピコレーザーは別名、Qスイッチピコ秒レーザーといいます。パルス幅がピコ秒です。パルス幅による分類では、ナノ秒もピコ秒もQスイッチに分類されます。

機械などに使用されるレーザーでは、ピコ秒よりパルス幅の短いフェトム秒レーザーなどがあります。

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