コラム

炎症後色素沈着:肌の悩みを解消し、自信あふれる毎日を

ニキビや傷跡が治った後に残る、茶色いシミのような色。もしかして炎症後色素沈着かもしれません。

炎症後色素沈着は、肌の炎症が治まった後に残る色素沈着のこと。ニキビや傷、虫刺され、やけどなど、様々な原因で起こります。

当院では、一人ひとりの肌の状態やお悩みに寄り添い、炎症後色素沈着の治療をご提供しています。

炎症後色素沈着ってどんなもの?

炎症後色素沈着は、肌に炎症が起こった部分が治癒する過程で、メラニン色素が過剰に作られることで起こります。

見た目の特徴

  • 色:茶色や黒っぽい色
  • 形:炎症を起こした部分と同じ形
  • 境界:比較的はっきりしている

病理組織学的特徴

メラニンの増加:

  • 表皮基底層および棘細胞層にメラニン顆粒の増加が見られます。
  • メラノサイトの数は増加していないが、メラニン生成が増加しています。

真皮の変化:

  • 真皮上層にメラニン顆粒が沈着しています。
  • メラノファージ(メラニンを貪食する細胞)が真皮に見られることがあります。

炎症反応:

  • 術後の初期には、炎症細胞の浸潤が見られることがあります。
  • 慢性的な色素沈着では、炎症は軽度または見られないことが多いです。

線維化:

  • 真皮の一部で線維化が見られることがあります。
  • 手術による傷の治癒過程での組織の修復が影響することがあります。

できやすい部位

  • 背中

治療しないでおくとどうなるの?

炎症後色素沈着は、多くの場合、数ヶ月から数年かけて自然に薄くなっていきます。しかし、色素沈着が濃かったり、範囲が広かったりする場合には、完全に消えないこともあります。また、紫外線を浴びると悪化することもあります。

診断方法

医師が目で見て診断します。他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合は、ダーモスコピー検査(皮膚拡大鏡)やウッド灯検査を行うこともあります。

他とどう違うの?

  • シミ(老人性色素斑、日光黒子):加齢や紫外線の影響でできるシミで、炎症後色素沈着よりも境界がはっきりしないことが多いです。
  • 肝斑:頬骨のあたりに左右対称に現れる、境界がぼやけたシミです。
  • そばかす:鼻や頬に多く見られる、小さな斑点状のシミです。

治療方法

  • 塗り薬:ハイドロキノンやトレチノインなどの美白剤、ビタミンC誘導体などを処方します。
  • 内服薬:ビタミンCやトラネキサム酸などを内服します。
  • ケミカルピーリング:薬剤を使って古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進します。
  • レーザー治療:ピコレーザーやQスイッチルビーレーザーなどでメラニン色素を破壊します。
  • イオン導入:ビタミンC誘導体を肌の奥まで浸透させます。

薬の種類

  • ハイドロキノン:メラニンの生成を抑える効果があります。
  • トレチノイン:皮膚のターンオーバーを促進し、メラニン色素の排出を促します。
  • ビタミンC誘導体:メラニンの生成を抑え、肌のトーンを明るくする効果があります。
  • トラネキサム酸:メラニンの生成を抑え、炎症を抑える効果があります。

日頃からできること

  • 紫外線対策:日焼け止めをこまめに塗る、帽子や日傘を使う、UVカット効果のある衣類を着用するなど、紫外線を徹底的にカットしましょう。
  • 保湿:乾燥は肌のバリア機能を低下させ、炎症後色素沈着を悪化させる原因になります。化粧水や乳液などでしっかり保湿しましょう。
  • バランスの取れた食事:ビタミンCやEなど、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取しましょう。
  • 十分な睡眠:睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、炎症後色素沈着を悪化させる原因になります。

私たちにご相談ください

炎症後色素沈着の治療は、一人ひとりの肌質や症状に合わせて行うことが大切です。色素沈着は炎症が落ち着く前の積極的な治療はむしろシミを増悪させる可能性があります。抗炎症や保湿、ビタミンの補給を行うことで、炎症が落ち着くのを待ちます。炎症によりメラニンが皮下にある場合も多いため、慎重な治療選択をいたいします。当院では、あなたに最適な治療法をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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