コラム
後天性真皮メラノサイトーシス(ADM):透明感のある美しい肌を取り戻すために
「ADMって聞いたことあるけど、どんなシミ?」
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、頬骨の高い位置や額に左右対称に現れる、淡い褐色や灰色のシミです。30~40代の女性に多く見られ、原因はまだ完全には解明されていませんが、紫外線や摩擦、ホルモンバランスの乱れなどが影響していると考えられています。
当院では、ADMの症状にお悩みの方へ、丁寧なカウンセリングと適切な治療をご提供いたします。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
ADMってどんなシミ?
ADMは、頬骨の高い位置や額に左右対称に現れる、モヤモヤとした淡い褐色や灰色のシミです。肝斑と似ていますが、ADMはより皮膚の深い部分にメラニン色素が沈着しているため、一般的なシミ治療では効果が出にくい場合があります。
見た目の特徴
- 左右対称に現れる
- 頬骨の高い位置や額にできることが多い
- 境界線がはっきりしない
- 淡い褐色や灰色っぽい色
病理組織学的特徴
- 真皮内メラノサイトの増加: 真皮上層にメラノサイトの増加が見られます。これらのメラノサイトはメラニンを生成し、沈着させます。
- メラニンの沈着: 真皮乳頭層から真皮網状層にかけてメラニン顆粒が多く見られます。特にメラノファージ(メラニンを貪食する細胞)が多数見られます。
- 炎症の有無: 一般的に慢性炎症は見られませんが、軽度の炎症反応が存在することがあります。
できやすい部位
- 頬骨
- 額
- こめかみ
- まぶた
治療しないでおくとどうなるの?
ADMは自然に消えることはほとんどありません。むしろ、紫外線や摩擦などの刺激によって悪化し、濃くなったり範囲が広がったりすることがあります。早めの治療で、シミのない明るい肌を目指しましょう。
診断方法
医師が目で見て診断します。他のシミとの区別が難しい場合は、ダーモスコピー検査(皮膚拡大鏡)やウッド灯検査を行うこともあります。
他とどう違うの?
- 肝斑:ADMよりも色が濃く、境界線があいまいなことが多いです。
- 老人性色素斑(日光黒子):加齢とともに増え、比較的小さなシミです。
- そばかす:鼻や頬に多く見られる、小さな斑点状のシミです。
治療方法
- 外用薬:ハイドロキノンやトレチノインなどの美白剤を処方します。
- 内服薬:トラネキサム酸やビタミンC、ビタミンEなどを内服します。
- レーザー治療:ピコレーザーやQスイッチYAGレーザーなどでメラニン色素を薄くします。
- イオン導入:ビタミンC誘導体を肌の奥まで浸透させます。
薬の種類
- ハイドロキノン:メラニンの生成を抑える効果があります。
- トレチノイン:皮膚のターンオーバーを促進し、メラニン色素の排出を促します。
- トラネキサム酸:メラニンの生成を抑え、炎症を抑える効果があります。
日頃からできること
- 紫外線対策:日焼け止めをこまめに塗る、帽子や日傘を使う、UVカット効果のある衣類を着用するなど、紫外線を徹底的にカットしましょう。
- 摩擦を避ける:ゴシゴシ洗顔やタオルで強くこするのはNG。優しく洗顔し、タオルでそっと押さえるように水分を拭き取りましょう。
- 保湿:乾燥は肌のバリア機能を低下させ、ADMを悪化させる原因になります。化粧水や乳液などでしっかり保湿しましょう。
- バランスの取れた食事:ビタミンCやEなど、抗酸化作用のある食品を積極的に摂取しましょう。
私たちにご相談ください
ADMの治療は、根気強く続けることが大切です。病理を見ると、真皮内にメラニンがいたり、組織球に貪食されています。そのため、皮膚の奥にまで届く治療を行う必要があります。当院では、あなたのお悩みやライフスタイルに合わせて、最適な治療計画をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。